危機一髪




by 出張のプロ

旅の最終日はフリーとなりました。14時頃の出発であった為に出来るだけ観光をしようという事になりました。まずは飛行場に行き、チェックインを済ませ スーツケースだけは預けておきました。これが後々奏功しました。
お客様達は直行便ではなく、16時頃発のフランクフルト経由との事でした。
街を案内して頂きまして観光を満喫し、食事も終えて12時半頃でしたでしょうかそろそろ空港に向かえば1時間程前に到着できるからとお客様の一人が アドバイスをしてくれました。
そう言われてもヨーロッパで一人で電車に乗る事に不安を感じいたところ、現地滞在経験のある方が「じゃあ我々も少し早いけど一緒に行きますよ」と言って くれました。気の利く大人だなと思っていたら隣にいた同僚が「時間があるからもう少し観光しよう」と言い出しまして、結局一人で空港へと向かう事になって しまいました。
とりあえず指示された通りに空港へ向かうと言われた電車に乗っていたのですが、どうも路線図を見ていると違う方向に逸れていくように見えます。
不安だったので、ボックス席の正面に座っていた若い女性に勇気を出して聞いてみると英語が通じまして空港に行くのであれば乗り換えが必要と言われました。 予想通りあと一駅遅かったら大変でした。お礼を言って駅で降りて後続の電車に乗り一安心、これでもう大丈夫と思ってました。
空港まで残り15分程の駅だと思います。やけに停車時間が長く感じていましたが、ドイツ語と早口の英語のアナウンスを気にもせず座っていたところ乗客が殆ど いません。駅員が歩いてきてこの電車はトラブルでこれ以上先にはいけないよとの事。
真っ青になりました。この時点でもう離陸時間まで1時間をきってました。駅から降りてタクシーを拾おうとしましたがタクシー乗り場には同様の状態の人が溢れて ました。50人以上は並んでいたと思います。タクシーはなかなか来る様子がありません。
これはもう無理だと思いながらも慌てふためいていたところに日本人が話し掛けてきました。リュックを背負った若い女性で外国人達とどこかに遊びに行く途中、 旅慣れている人のようでした。現地に長期滞在している人なのかも知れません。
事情を話飛行機チケットを見せると時間が無い事は一目瞭然、すぐに前方にいる即席でその場を仕切っているような黒人女性に流暢な英語で状況を説明してくれ まして、その女性も時間の無さに驚きます。タクシーに乗り込もうとしている親子に私を同乗させてくれるように交渉してくれました。オーケーがでてタクシーに乗り、 料金は私が払い空港に到着。出発15分前でした。
走ってイミグレーションを通過して搭乗口へ、ギリギリセーフでした。
走った事と国際線に乗り遅れるかも知れないという不安で心臓は潰れそうでした。
こうして何とか危機を脱出しました。
あの時の日本人女性と黒人女性の親切に感謝の気持ちでいっぱいです。あの時日本語で話しかけられなければ間違いなく乗り遅れていたと思います。
ありがとうございました。







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